太陽光発電には多くの利点がありますが、欠点もいくつか存在します。まず、初期コストが高いことが大きなハードルです。一般的に、家庭用の太陽光発電システムの設置には100万円から300万円程度の費用がかかります。これに加え、蓄電池を併用する場合はさらに数十万円の費用が必要となります。そのため、初期投資の回収には10年から15年程度の期間がかかることが多いです。
もう一つの欠点は、天候に左右されるという点です。太陽光発電は太陽光が必要なため、曇りや雨の日、そして夜間は発電効率が大きく低下します。例えば、晴天の日には最大効率で電力を生成できますが、曇天では50%以下の効率になることもあります。これは、特に天候が不安定な地域では、安定した電力供給が難しくなる要因です。
また、太陽光発電の設置には広いスペースが必要です。1kWの発電量を得るためには、約8平方メートルの屋根スペースが必要であり、家庭の電力需要を全て賄うためには、通常5kWから10kWのシステムが必要です。これは、狭い住宅やマンションでは十分なスペースが確保できないことがあり、設置が難しい要因となります。
最近の報道でも、災害時の電力供給に関して問題が指摘されています。例えば、2021年の大規模停電の際、多くの家庭が蓄電池を併用していなかったため、夜間に電力が不足し、生活に支障をきたしたケースが報告されています。このことから、安定した電力供給を実現するためには、太陽光発電と蓄電池の併用が推奨されています。
さらに、太陽光発電システムはメンテナンスが必要です。パネルの寿命は約25年とされていますが、定期的にパネルを清掃し、システム全体の点検を行わないと、発電効率が低下する可能性があります。特に、パネルに汚れやホコリが溜まると、効率が10%から20%程度低下することが報告されています。
こうした欠点があるにもかかわらず、太陽光発電は再生可能エネルギーとして注目されており、環境負荷の低減や長期的な電力コスト削減を考慮すると、依然として有効な選択肢であると言えます。